核兵器禁止条約

 核兵器は一旦使用されれば、取返しのつかない甚大な被害を人間や環境に与えます。それは戦争での使用だけでなく、核兵器が存在する限り、誤って使われたり、テロなどに使われたりする危険性があります。NPT(6で解説)で約束された核軍縮が進まない状況に不満を持つ国々の間で、核兵器を法的に禁止しようとする動きが、2010(平成22)年頃から高まりました。  
 そのような核兵器を持たない国々の主導のもと、三度にわたる核兵器の非人道性を考える国際会議の開催、核軍縮に関する国連作業部会の開催、国連での核兵器禁止条約に向けた交渉会議を経て、2017(平成29)年7月、国連加盟国の6割を超える122か国が賛成し、核兵器禁止条約が採択されました。 
 条約の前文には被爆者の苦しみと被害を深く心に留めるとあります。被爆者の「私たちの経験を、もう、誰にもさせたくない」という願いを、国際社会がしっかりと受けとめました。
 しかし、採択されただけでは、条約は力を持ちません。本当に力を持つためには、それぞれの国の議会等が国内法にしたがって条約を認め、締結(ていけつ)する意志を最終的に決定しなければなりません。これを「批准(ひじゅん)」といいます。その批准国が50か国となることで、条約は「発効」し、初めて力を持ちます。2019(令和元)年7月現在、署名国が70か国、批准国が23か国という状況です。
 日本を含む核兵器に依存する国々などは、条約に今も署名しないとしていますが、条約が発効すれば、それらの国に対する批判や圧力が高まり、核軍縮を進める力となることが期待されています。