核兵器禁止条約に関する日本政府の対応について(要請)

2020年11月20日

外務大臣 茂木 敏充 様

広島市長  松井 一實

長崎市長  田上 富久

 貴台におかれましては、「核兵器のない世界」の実現に向けて御尽力いただき、広島・長崎両市民を代表し、深く感謝を申し上げます。

被爆者の「世界の誰にも二度とこの体験をさせてはならない」という強い訴えが源流となり、この小さな流れがやがて世界を巻き込んだ大きなうねりを生み、「核兵器禁止条約」は2017年7月、122か国の賛成を得て国連で採択されました。それから約3年後の先月24日、ついに条約の批准国が50か国に達し、来年1月22日に発効することが確実となりました。この一連の動きは、核軍縮が遅々として進まず、核兵器による脅威が高まる中、核兵器が三度使用されることへの危機感を多くの国が共有した結果であり、こうして誕生した核兵器禁止条約は、「核兵器はなくすべきだ」という、被爆者や被爆地市民をはじめとした人類の意思を明確にしたものです。

条約の最終目標は「核兵器廃絶」であり、それは日本政府の目標と一致しています。条約の実効性を高めるためには、核保有国及びその同盟国をはじめ、多くの国がこの条約に参加し、条約の効果的な運用と発展に向けた議論を進めることが重要となります。日本政府が「核保有国と非核保有国の橋渡し役」としてリーダーシップを発揮されるためには、核兵器廃絶に向けた議論に参画し、核兵器のない世界を実現する推進力となることが必要であると考えます。

日本政府におかれましては、被爆者の切なる思いを真摯に受け止めていただき、唯一の戦争被爆国として、一刻も早く核兵器禁止条約に署名・批准してくださるよう強く要請します。それまでの間は、核兵器廃絶に向けた議論に参画するため、核兵器禁止条約の締約国会議にオブザーバーとして参加していただくようお願いいたします。