核兵器の抑止力に依存する国々と、核兵器禁止の交渉開始を主張する国々

(1)核兵器の抑止力に依存する国々
 相手国が攻撃してきた場合、核兵器で反撃するという姿勢を見せることによって相手国の攻撃を思いとどまらせようとすることを、核兵器の抑止力といいます。しかし、抑止力に固執す
ると、お互いに相手国より強力な核兵器を保有したり開発しようとしたりするために、核の拡散につながり、逆に核兵器による攻撃の危険性が高まる可能性もあります。
 日本や韓国、NATO(北大西洋条約機構)の諸国は、いずれも核兵器は保有していませんが、アメリカの持つ核兵器の抑止力によって守られている国々です(「核の傘」の国々ともいわれます)。これらの国々は、核兵器禁止に直ちに向かうことに反対の立場をとっています。
 これに対し、多くの国々が、核兵器の抑止力に頼らない方法で国の安全を保障しようとする考え方に立った政策をとっています。長崎市は、その現実的で具体的な方法として、北東アジア非核兵器地帯(6で解説)を提案しています。
(2)核兵器禁止の交渉開始を主張する国々
 国連加盟国のほとんどは核兵器を持たない国々です。
 核兵器は戦争に使われるだけでなく、存在する限り事故による誤使用やテロなどに使われる危険性があります。その危険な核兵器を法的に禁止しようとする動きが核兵器を持たない国々
の間で、2010(平成22)年頃から高まってきました。そして、そのような国々の主導のもと、三度にわたって核兵器の非人道性を考える国際会議が開催される一方で、核兵器保有国や核兵器の抑止力に依存する国々との溝は深まっていきました。
 このように、核軍縮が一向に進まない現状へのいら立ちから、今回の「核軍縮交渉を前進させる法的な枠組みについて話し合う会議」の中で、メキシコやオーストリアなど100か国を超える国々が、核兵器禁止条約の追求を求める意向を表明しています。