抗議文

2006年08月31日

アメリカ合衆国大統領
ジョージ・W・ブッシュ閣下

長崎市長 伊藤一長

 本日、貴国がネバダ核実験場において、23回目の臨界前核実験を実施したとの情報に接しました。被爆都市長崎からの、再三にわたる中止要請と抗議を無視し、貴国が臨界前核実験を強行したことに対し、ここに厳重に抗議します。
 長崎市は、去る8月9日に61回目の原爆犠牲者慰霊平和祈念式典を行い、原爆犠牲者を慰霊するとともに、今年度を核兵器廃絶の再出発の年として、世界の国々に核兵器の全廃と核不拡散に向けて取り組んでいくことを強く訴えたところであります。
 しかし、核不拡散体制の崩壊が危ぶまれ、北朝鮮とイランを巡る核兵器開発問題が緊迫しつつある現在、核兵器の保有を誇示するかのように、臨界前核実験を実施した貴国の姿勢は、かえって、こうした国々に核兵器開発の口実を与え、核不拡散体制をますます危機的状況に陥れることにもなりかねません。
 また、これまでの中止要請と抗議にもかかわらず、今回、再び実験を強行したことは、被爆者をはじめ長崎市民や、世界の多くの人々の核兵器廃絶の願いを踏みにじる暴挙であり、強い憤りを覚えます。
 10年前の国際司法裁判所における、「核兵器の威嚇と使用は一般的に国際法に違反する」との勧告的意見を真摯に受け止めるとともに、6年前の核不拡散条約(NPT)再検討会議での「核兵器廃絶へ向けた明確な約束」を誠実に履行することを貴国に対し強く求めます。