要請文

2010年07月02日

外務大臣
岡田 克也 様

広島市長 秋葉 忠利
長崎市長 田上 富久

 先月末、我が国とインドとの核関連資機材の提供に関する原子力協定締結に向けた初会合が開催されました。この協定を締結することは、我が国がインドの核兵器保有を容認することに等しく、核不拡散条約(NPT)体制の崩壊にも繋がりかねず、核兵器廃絶を進める上で極めて重大な支障となるものです。
 特に、本年5月のNPT再検討会議において、核保有国を含む全ての加盟国が核兵器廃絶に向けた行動の開始に合意した直後に、NPT未加盟のインドと原子力協定締結の交渉を進めることは、核兵器廃絶に向けた国際的な気運の高まりに水を差すものです。また、唯一の被爆国である我が国がこれを行うことは被爆地の訴えを踏みにじるものであり、被爆者を始め多くの市民から抗議の声が上がっています。
 本国政府に対しては、平成20年(2008年)7月にも、広島市・長崎市長の連名で内閣総理大臣に要請するなど、繰り返しNPTや包括的核実験禁止条約(CTBT)に加盟がない段階でインドへの原子力協力が行われることのないよう強く求めてきました。
 核軍縮・核兵器廃絶の先頭に立つ決意を全世界に公言しながら、今回、インドとの交渉を進めることは、被爆地として到底理解しがたいものです。政府におかれては、広島・長崎の被爆者を始めとする多くの市民の声を真摯に受け止め、インドとの原子力協定締結交渉を即刻中止するとともに、NPT体制の堅持・強化に積極的に取り組むなど唯一の被爆国としての責務を果すよう強く求めます。